【読書実践報告】2022-12-11
「愛着障害の克服」
著者:岡田 尊司
【1.この本を読んだ目的・狙い】
・愛着障害を克服するための具体的なアプローチを知るため
・愛着障害の克服にかかるケーススタディを把握し、自分の実践に活かしていくため
【2.読んでよかったこと、感じたこと】
・社会問題になっているメンタル疾患や問題行為等について改善する方法は二通りあると言われている。
⇒ 原因は患者本人にあるという考え方。外傷等、発生した原因や必要な治療法が明瞭である場合は効果てき面。また、病名を診断し、周囲の理解や受容を高めることで、より解決へのアプローチが踏みやすい場合がある。
⇒「根本的な原因」は患者本人ではなく、患者を追い詰めた周辺の親や周りの大人、環境にあるという考え方。
⇒ 親等の近い大人との信頼関係及び安全基地の構築により、本人の「不安定な愛着」を改善する。
⇒ メンタライジングを高めるための取り組み(MBT)において、現在の認知や行動を過去の体験(愛着の傷となっている体験)との関係から理解し、それが過去の状況を再現しようとしていることに気づくことで、過去の呪縛を解く方法もある。
・「虐待は身近にー家庭は「押し付け」と「評価」の収容所ー」というタイトルがインパクトある文言だった。
⇒ しっかり意識しないと、どの家庭でも「押し付け」や「評価」をしてしまう恐ろしさを痛感した。
・安定型の愛着タイプの人はどういう特徴があるのかを具体的に知ることができた。
⇒ 「メタ認知」の心の動きが発達している(振り返る力が高い。メンタライジングともいう。)
⇒ ある事象に対する良い面/悪い面を両面的に見る力があり、感情的に囚われないようなメンタリティを持っている。
⇒ 仕草や話し方にもしっかりした特徴がある(穏やか、気分や態度が一定、押し付けをしない、人に関わらず目線が対等)
・不安定な愛着を持つ人への接し方や、回復の仕方が具体的に書かれていた。
⇒ 不安型:共感を大切に、自分の考えの押し付けを決してしない
⇒ 回避型:関心を共有する、有益な情報を与える、本人の求めている課題に一緒に向き合い、解決策を提示する、支え手から自己開示をする
⇒ 未解決型:過去の辛い体験を引きずっており、その「体験」により負っている傷の手当てと、その傷をぶり返さないため、現在の周辺の関係性を改善する手当てが必要。
・「安全基地」になるために必要なことが具体的に書かれていた。
⇒「応答性」(求めていることを汲み取る、求めているときに応える)と「共感性」(思っていること、感じていることに寄り添う)が不可欠。
⇒ 患者の「ありのまま」を受け止める「トレーニング」をする必要がある。
⇒ 叱る目的は「命の危険から守るため」。それ以外は「不要の叱りつけ」だと思った方がいい。
⇒ この安全基地が「持続性がある」と感じてもらう必要がある(恋人や友人などの「身近な他者」は、何かがきっかけで冷めてしまうかもしれないので要注意)
【3.この本を読んで自分は今から何をするのか】
・感情にとらわれず、安定型の愛着タイプに定着するような行動をする
・家族の安全基地になるような行動をする
・常に「メタ認知」の行動ができるようにする
・子どもや身近な人に何か症状が出たら、その「サイン」を汲み取り、周辺の環境や関係性に原因があるのではないかという考えを常に持って行動する
【4.3か月後には何をするか、どうなっていたいか】
・3が完全に実施できる人間になる。
以上です。
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