【読書感想】ストレスと適応障害

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【読書実践報告】2023-1-21

「ストレスと適応障害」

 著者:岡田 尊司

目次

1.この本を読んだ目的・狙い】

・夫が適応障害的な要素があり、改善に向かうヒントを得られると思ったから

・「現代うつ病」と言われている適応障害に関する知識を持つことは、今後に必ず何か生かされると思ったから

2.読んでよかったこと、感じたこと】

この著書では、「適応障害」をいろんな視点で解説されていることが非常に勉強になった。

パーソナリティからの視点や、親子関係や人間関係等からの視点で起きやすい適応障害のパターンを解説したり、発達障害と適応障害の関連性等や、適応障害やそもそもの「悩み」を解決するアプローチ法も具体的に書かれている。

悩める人には全ておすすめしたい著書だった。

特に印象を受けたポイントを共有⏬。

・適応障害は、その人が適切な環境で自分の持ち味が活かされずに苦しむ状態であることがわかった。

 ⇒ 多くは生活環境の変化や人間関係の悩みからくるストレスが受容しきれず発症することが多い。

 ⇒ ストレスを甘くみると、脳に障害が発生する恐れがある。

 ⇒ うつ病と診断され、安易に薬物治療を施すと、悪化する場合がある(脳の神経伝達の障害が原因ではなく、環境が原因である場合が多いからだ。)

・ストレスは「耐える」のではなく、「コントロール」することが重要。

 ⇒ ストレスをコントロールする上で考慮すべき要素は3つある。

  1. 負荷の強さ、持続期間(負荷)
  2. その人の対処能力(対処)
  3. その人を支える環境や絆(支え)

この3つの要素をバランスよく活用しながら、ストレスに対処する必要がある。

どれか一つに頼ってしまうとコントロールのバランスが崩れ、症状が悪化する恐れがある。

特に、周囲の理解と協力を得られることが大事であり、要素3がどれだけ「土台」になるかが重要になる。

・「生きがい」と「愛着障害」がストレスの許容度を大きく左右する

 ⇒ この著書でいう「生きがい」は、『夜と霧』を執筆したヴィクトール・フランクルがアウシュビッツ強制収容所にいた体験により発見したエピソードをもとに定義している。

彼が同書でたどり着いたたどり着いた結論は、人が生き延びられるかどうか、その人が幸福であるかどうかを左右するのは、生きることにその価値を見出せるかどうかだということである。どんな試練に出逢おうと、そのことに意味があると感じることができれば、その人はそれに耐え、それを乗り越えることができる。しかし、それに耐えることにもはや意味がないと思った瞬間、生き延びることは困難になる。

ストレスと適応障害-p76より

加えて、生きることに価値を見出すためには、外から与えられるものではなく、自分で見つけるものであることも強調している。

 ⇒ 愛着障害については、こちらの記事にも書いてあるので、ここでの執筆は割愛。

・悩みは「2種類」あること、また、それに対するアプローチが明確にわかった。

悩みパターン①:葛藤

つまり、「決断することの困難」だと著書で言っている。

意思決定を阻害する要因は、本人の中にある「両価性」にあるとのこと。

例えば、

・会社に行くと上司に責められ続け精神的苦痛が伴う(会社に行きたくない)
・自分の務めとして会社に行かなければならない(会社に行きたい)

といった相反する感情が自分の中に蠢いているということ。

この「悩み」に対するアプローチは、以下の通り。

① 悩みや両価性の葛藤を全て受け入れ、共感する(アクティブ・リスニング)
② それにより、本人が抱えている「本当の葛藤」は何かを深掘りしてみる


上記の例の場合、仕事に行く/行かないという問題は表面的な問題に過ぎず、

本質的な問題は

「上司にプライドを傷つけられるか/仕事をトライし続けて自信を回復したいか」

というところになり、そこに考察のアプローチをかけ、本人に決断させることが大事。

深掘りの方法は、

スケーリング・クエスチョン(例:この問題に対して1〜10の段階でどれくらい深刻なのか)や、

メリット・デメリットを洗い出して具体的に考察する等をして

本人の意思決定をスムーズになるようなサポートをすることが大切。

悩みパターン②:未解決な問題

ここは著書で重要なことが書かれているので、引用することにする。

人生の問題に人が迷うのは、解決の仕方がわからないというよりも、どういう解決にたどりつこうとしているのかが、見えていないためである。ゴールがはっきりしていないのに、試行錯誤を繰り返したところで、余計迷うだけだ。

ストレスと適応障害-p248より

上記の問題を解決するためには、2つの原理がある。

① ゴールを明確化することによって解決を導き出す

例)ビルゲイツ:プログラミングというメカニズムからBASICやMS-DOSを開発
  スティーブ・ジョブズ:「こんなものが欲しい」というイメージや欲望からMacintoshやiPadを開発


大事なポイントは、「こんなの無理に決まっている」や、

「こういう制約や条件があるから・・」といった思考をとっぱらい、

「何を手に入れたいのか、何がゴールなのか」

を明確にして、そこから逆算して解決する方法、

現実に何ができるのかを検討するのだ。

問題にアプローチして悩むより、

「自分のゴール」をゼロベース思考で考えて、

実践できることをやっていく方が明らかに解決できる。

② 例外的な現象に着目する

別の言い方をすると、先入観から予想されることから外れた現象のことを言う。

そこには気づいていない真実や解決が潜んでいる可能性があるからだ。

人々は、いつも「起きていること」の方ばかり見ているので、

上記の現象に着目しにくい特性を持っている。

このアプローチは、株式会社じげんの社長、平尾丈さんが執筆された

「起業家の思考法-「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法-」

が非常に参考になったので、著書リンクとブログ記事を共有。

3.この本を読んで自分は今から何をするのか】

・適応障害等のメンタルの病気はほとんどの人が自分を責めたり、自分の人格を責めたりする傾向がある。この著書を読んで、改めて「自分自身が悪いわけでは決してない」ということを実感した。

・アクティブリスニングや共感することは、やはり万能薬であることがわかった。苦しんでいる人を少しでも減らせるようなコミュニケーションを常に意識する。というか息を吸うようにやる。ですね。

43か月後には何をするか、どうなっていたいか】

・当たり前のようにいろんな人の考え方を許容し、上記のような問題解決法を自然とできるようになる。

・適応障害に関する理解を引き続き続ける。

以上です。

人間関係に悩んでいる方がいらっしゃいましたら、

⏬こちらのページもぜひご参考にしてください⏬

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